自分の手で、想いを届ける一皿「Brown」

人図鑑

Restaurant Brown(レストラン ブラウン)
オーナー 平塚 貴之 さん

事業内容

イタリアンレストランの経営

プロフィール

行田市生まれ。市内の小中学校を卒業後、市外の高校へ進学。高校卒業後は音楽の専門学校に進むも中退し、しばらく美容室でアシスタントとして働いた。その後、料理をすることが好きだったことから料理の専門学校へ入学。専門学校では「ちゃんと料理をやろう」という思いが強くなり、西洋料理を中心に学ぶ。1年間通い、資格を取得して卒業。卒業後は下積みとして、熊谷の婚礼式場、群馬のフランス料理店などで修行。仕込みから開店準備までを一人で担う現場を経験し、料理の基礎と現場力を身につけた。その後、熊谷で独立し、「green green」を開業。移店後は「Ercole」として営業し、コース料理を中心に、デザートや記念日利用など幅広いニーズに応える店づくりを行ってきた。熊谷での経験を重ねる中で、「最終的には規模を抑え、自分の手が行き届く料理を提供したい」という思いが強まり、縁あって行田市へ移転。今年8月、自宅併設のイタリアンレストラン「Brown(ブラウン)」をオープンした。

——料理を始めたきっかけは?

料理は、両親が共働きだったことが大きいきっかけですかね。美味しいって言われると、また作りたくなるし、料理をすること自体も嫌いじゃないなと思っていました。

——修行中、大変だったエピソードや学んだことはありますか?

大変だったのは、フランス料理屋の時ですね。仕込みは全部自分一人でやっていました。魚を下ろすことも全部やって、そのあとに店舗の掃除や開店準備も全部一人。開店までの時間内にすべての仕込みを終わらせなければいけなかったのは、学びにもなりましたが、正直すごく辛かったです。朝、魚を買ってきて「これ全部おろして、骨抜いといて」と言われたり、お肉を買ってきて「これも全部1人前の格子状に切っといて」と言われたり。高級食材から何から何まで、全部一人でやっていました。

他のお店では料理長が色々教えてくれたんですけど、従業員がたくさんいる分、自分しかいない環境の方が、スキル的にはすごく上がったと思います。

——イタリアンレストランを始めたのは?

高校生ぐらいの時に、初めてイタリア料理を食べたことがきっかけです。当時は、今みたいにスパゲティが身近ではなくて、熊谷駅南口にイタリアンレストランがあったんです。そこに連れて行ってもらった時に、「こういうものがあるんだ。すごく美味しいな」と思いました。

僕がその後料理学校に行って、何年か経ってから勤めた先の料理長が、そのお店の料理長だったんですよ。「そのお店で初めて食べたイタリアンが美味しくて、今料理をやっています」という話はしましたね。

——最初のお店「green green」を移店したのはどうしてですか?

お客さんが結構来てくれるようになって、お店が狭くなってしまったんです。なので、移店のタイミングでお店を大きくしようと思いました。グリーングリーンの頃から来てくださっていたお客さんや、新規の方も来てくださったんですけど、広くした分、電気代などのコストも大きくなって、色んな面で大変でした。

——二店舗目の「Ercole」で、力を入れていたことは?

グリーングリーンの時はコース料理にすごく力を入れていたので、エルコレからはデザートにも力を入れました。個室があったので、成人式や記念日に利用してくださる方も多かったですね。クリスマスになると、特別メニューを出したり、DMも送ったりして、たくさんの方が来てくれました。

——そして、熊谷から行田に移店したきっかけは?

「大野建設」さんに家を建てたいという相談をした時に、空いていた土地としてここを紹介していただいたんです。自分の住まいも行田ですし、実家からも近い。「ちょうどいいな」と思って行田に決めました。場所とのご縁ですね。

——「大野建設」さんとは、何か繋がりがあったのですか?

グリーングリーンの頃から、担当の方が食べに来てくれていたんです。その後、同級生が大野建設さんと知り合いだったこともあって紹介してもらいました。僕がその方の話をしたら、「じゃあ自分が担当しますよ」と言ってくださって。それに、僕の実家の前に建っていた建物も大野建設さんだったり、近所の幼馴染が勤めていたりと、いろんな繋がりがあったので、安心してお願いできました。正直、その担当の方がいなかったら建てていなかったと思います。

——もともと、自宅とお店を一緒にしたいという思いはありましたか?

ありました。規模を小さくして、最終的には自分一人で回せる形にしたいという思いもあったので、自宅併設という形が実現できて良かったです。

——店舗のデザインについて、こだわった点は?

大野建設さんには、「軽井沢のハルニレテラスみたいな外観がいいです」とお伝えしました。そうしたら、実際にハルニレテラスまで見に行ってくださって、そのイメージを取り入れつつ、あとは担当の方の感覚にお任せしました。

——実際に出来上がった店舗をご覧になって、いかがでしたか?

満足しています!大野建設さんのモデルルームを見に行くと、「こういう雰囲気でレストランになればいいな」と思えるんですよね。飲食店を多く手がけている会社なので、その点も安心してお任せできました。

——店名の由来は?

お店を建てる時に、当時4歳だった子どもに、「お父さんのお店、どういう名前がいい? 3、2、1!」って聞いたら、「ブラウン!!」って言ったんです。その言葉をその時初めて聞いたので、店名にしました。英語にしたのは、かっこいいかなと思ってです(笑)。

——お店のこだわりを教えてください。

手作りですね。感覚的には仕込み8割という感じでやっています。基本、既製品は使わず、デザートも含めてすべて手作りです。

例えば魚料理だと、骨は一本も残らないように必ず取り除きますし、パスタでも「そのまま使えば楽」というやり方はしません。渡りガニのパスタなら、一度茹でて殻から身をすべて外し、殻を入れずに身だけを食べてもらうようにしています。正直、かなり手間はかかりますが、そのひと手間で食べやすさも味も全然違うと思っています。

あとは、伝統的な料理や郷土料理を、そのまま出すのではなく、自分の店のレシピに落とし込むことも大切にしています。基本の形は大事にしながらも、必ず自分なりにアレンジを加えていますね。季節の食材を使うことも、欠かせないこだわりです。

家で食べられるような料理ではなく、「お金を払って食べる料理」を出したい。そのために、面倒な作業でも省かず、ひとつひとつちゃんと仕込むことを大切にしています。

——食材へのこだわりもありますよね?

鮮度の良いものを使うことと、地域のものを使うことです。卵や野菜は八百屋さんに発注すると、自然と地元のものが集まります。地産地消は鮮度も良いですし、地域の方とのつながりが持てるので、なるべく使いたいですね。

——おすすめのメニューは?

寒い時期のおすすめは「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」ですね。

パスタも、その時期の良い食材を取り入れるようにしています。うちでは、カラスミパスタのカラスミも卵から仕込んでいますので、それもおすすめです。

——奥様も一緒にやられているそうですね。

奥さんは主にケーキやアイスなどのデザート担当です。

——今後の展望はありますか?

10人ぐらいで貸し切りができて、今までのコース形式ではない形で、料理をどんどん出していくスタイルもやってみたいです。

ランチはコース、夜はハレの日に使ってもらえる、そんなお店にできたら理想ですね。

——最後にひとこと。

時間をかけて仕込みをして、その料理を「美味しかったよ」と言ってもらえる。
グリーングリーンの頃から続けてきたそのスタイルを、これからも貫き通していきたいと思っています。

Restaurant Brown(レストラン ブラウン)

住所:行田市持田338-1
TEL:048-598-6191
営業時間:Lunch 11:00~15:00(L.O. 14:30)
     Dinner 17:30~22:00(L.O. 21:30)
定休日 :水曜日
HP: https://brown-restaurant.com
Instagram:https://www.instagram.com/6191brown

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