まるで高級スウィーツのようなイチゴ「あまりん」で埼玉のイチゴ業界を盛り上げる!「ベリーズファーム・ハセガワ」

人図鑑

ベリーズファーム・ハセガワ
長谷川裕晃さん

事業内容
イチゴの生産・販売
イチゴ苗の販売
ベリーズファーム・ハセガワ運営(イチゴの直売・イチゴ狩り)

プロフィール
1979年生まれ44歳、東京生まれ行田育ち
高校(自動車科)卒業後、車の専門学校で学び、車屋さんへ就職
26歳で退社し農業大学校に入学
イチゴを学ぶコースに通いながら起業にむけて準備し、
卒業と同時に28歳でベリーズファーム・ハセガワを起業

——車屋さんだっだ長谷川さんが、どうしてイチゴ農園を?

長谷川さん:何か自分で独立してやってみたいという気持ちはずっとありました。いざ独立を考えた当時、農業は若者の中で全く注目されていなかったんです。でも、だからこそ自分にチャンスがあると思って農業にチャレンジしようと決めました。植物には癒しがあるし、果物の中でも人気があって、お祝いのケーキや贈り物にも使われるイチゴは想いが乗せられる果物なんじゃないかと魅力を感じました。始めたらみんな喜んでくれるかなと。

——始めるうえで計画づくりや資金調達はどうされたのですが?

長谷川さん:なかなか大変でしたが、埼玉県立の農業大学校に通ったこともあり、埼玉県の農政や農林部が事業計画や資金調達などについてサポートしてくれました。そうした埼玉県の指導を受けて、埼玉県の農業用制度資金を活用して起業に至りました。

——どんなスタイルのイチゴ栽培方法なのですか?

長谷川さん:高設栽培といって、腰の位置でイチゴを栽培するやりかたです。当時、埼玉県ではほとんどやられている方はいませんでした。大学校で視察に連れて行ってもらったときに、「これからの農業はこれだ!」と直感し、自分のファームに取り入れました。

——直売所は大変人気で、販売日はあっという間に完売してしまいますよね!

長谷川さん:そうですね!多くの方にご来店いただけて、嬉しい限りです。

——人気のイチゴ狩りですが、お休み中なんですよね?再開の予定はありますか?

長谷川さん:今は埼玉県品種の“あまりん”の需要が高く、そちらの生産に力を入れていて、なかなかイチゴ狩りをご提供できるスペースの余裕がないのが現状です。今後、もう少しファームの面積を拡大して、ぜひみなさまにもイチゴ狩りを楽しんでいただきたいと思っていますので、いずれ再開する事を検討しています。

——やはり、イチオシ商品は“あまりん”ですか?

長谷川さん:はい!一番人気があるのが“あまりん”ですし、私たちの一番のオススメです!

——“あまりん”ってどんなイチゴなのですか?

長谷川さん:埼玉県でしか作ることのできない限定品種です。非常に糖度が高く、まるで高級スウィーツのようなイチゴです。全国いちご選手権で二連覇し、メディアでも大変注目されています。「今までで食べたイチゴの中で一番美味しいよ!」といった多くの声をいただいています。

——生産量が少ない品種なのですよね?

長谷川さん:まだまだ、“あまりん”を作る農家さんが少ないのですが、当ファームは、全体の作付けの8割を“あまりん”にして、かなり力を入れています!

-——現在、経営の方は順調ですか?

長谷川さん:何とか安定してきました。数年前に一度大雪でビニールハウスが300坪くらい潰れてしまい大きな損害がでましたが、どうにか持ち堪えて今のように拡大してきています。

——経営していくのに苦労している事がありましたら、教えてください

長谷川さん:燃料や梱包資材などあらゆるコストが上がったのが苦しいですね!また、ビニールハウスとはいえども天候に左右されるので、生産量を安定させるのに苦労します。イチゴは秋に気温がある程度下がらないと作付けできないのですが、昨年は残暑が厳しくて作付けが遅れ、需要の高まる12月に収穫がほとんどできなくて大変でした。近年の異常気象で、台風や大雪などでビニールハウスが被害にあってしまう心配もありますね!

—— 一緒に働くスタッフさんとは?

長谷川さん:ビニールハウスの中での作業は、とても暑くなるので重労働です。日々忙しい中で、みなさん頑張ってくれています!明るく声をかけて、なるべく気持ちよく働ける環境を作っていきたいと考えています。

——イチゴ農園を始めたい方にもご指導をされているんですよね?

長谷川さん:これからイチゴ農園を起業したい方を当ファームに研修生として受け入れ、栽培や技術の指導・設備のプランニングなど、独立のお手伝いをする仕事もしています。また、既にイチゴ園を経営されている方への技術サポートも行っています。

——組合でもご活躍とお聞きしましたが?

長谷川さん:“養液いちご研究会”という組合で、主に埼玉県の高設栽培を導入している農園や観光農園のオーナーさん約180名の会員がいます。昨年まで私が7代目会長を務め、現在は顧問として役員会にいます。こちらの組合でも、色々なイチゴ農園さんやイチゴ農園に関わる業者さん・行政へのサポートをしています。

——埼玉県のイチゴ業界を盛り上げていきたいという思いが強いのですね?

長谷川さん:そうですね!!昨年、全国いちご選手権を主催する日本野菜ソムリエ協会から、埼玉県が「プレミアムいちご県」として認定されました。これは、全国初のことです。埼玉県がプレミアムな美味しいイチゴを多くつくる県として認められて、業界がとても盛り上がっています。そして、“あまりん”に次いで、埼玉県から“かおりん”・“べにたま”という新品種も登場し、こちらも各品評会で、とても高い評価をうけていますので、このまま更に勢いを増していけるよう県をあげて盛り上げていきたいですよね!

——イチゴ農家が増えると相乗効果で業界全体が盛り上がりますか?

長谷川さん:“あまりん”等のブランド価値が上がってきていますが、まだまだ生産量が少なくて、需要に追い付いていないのが現状です。プレミアムイチゴの作付け面積をさらに確保して、生産量を拡大していこうという動きが活発になってきています。業界が発展してく為に、多くの方そして上場しているような大企業さんにも参入してもらえるように、組合としてもしっかりサポートしていきます!

——少し話は変わりますが… 世間ではSDGsが注目されていますが、何か取り組みをされていることはありますか?

長谷川さん:イチゴ農園は包装資材を多く使用しますが、環境に配慮した資材へ順次変えていっています。また、ビニールハウス内では暖房などエネルギーを使用しているので、保温性が高い断熱材を導入して、燃料消費量を抑え二酸化炭素排出量を減らしていく取り組みをしています。植物が行う二酸化炭素を使って酸素を生成する光合成を利用し、酸素と二酸化炭素の循環をビニールハウス内でなるべくできるように工夫しています。

——商品にならない規格外等のイチゴはどうしていますか?

長谷川さん:食料廃棄の問題も深刻ですので、傷ができてしまったイチゴや販売が難しいイチゴは、加工品用の冷凍イチゴにして、無駄が出ないようにしています。イチゴシャーベットやイチゴミルクアイスなど、当ファームのイチゴをふんだんに使った商品も製造販売しています。また、シーズンの最後に地元の幼稚園の子どもたちをファームに招待し、イチゴ狩りを体験していただいています。

——最後に、今後の展望を教えてください。

長谷川さん:現在、“あまりん”の生産に力を入れておりますが、まだまだ需要に追い付いておりません。今後は生産面積を拡大して、たくさんの方に“あまりん”をご賞味いただきたいと思っております。また、冷凍イチゴを使ったイチゴ加工品の商品も増やして、販売する店舗なども広く展開していきたいと考えています。

ベリーズファーム長谷川
行田市和田800-1
 080-5030-1583
※混雑時・営業時間外は大変つながりにくくなっております。
10:00~16:00
https://www.berrysfarm-h.com/

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