
ファイブイズファーム 責任者 細井 美貴 さん
事業内容
ブルーベリー観光農園の運営
ブルーベリー・ぶどう・桃・野菜の栽培と販売
キッチンカーでのイベント出店
プロフィール
行田で生まれ育ち、地元の高校を卒業後、東京の服飾専門学校へ進学。卒業後はアパレルメーカーで勤務する。地元に戻ってからは「ファイブイズホーム」に入社し、様々な業務に携わる。出産・育児のため一時職を離れるが、7年前に復帰。そして2022年、ブルーベリーの魅力を多くの人に届けたいという想いから、観光農園「ファイブイズファーム」を立ち上げる。2025年6月には、新たな拠点へと移転し、店舗併設の農園としてリニューアルオープン。地域に根ざした新たな挑戦を続けている。

——幼少期の思い出や自然との関わりについて教えてください。
人見知りで活発な子どもだったと思います。昔の行田は今よりもっと田舎で、母やきょうだいと一緒にクワガタやカブトムシを採りに行ったりして、自然の中で遊んでいました。母が土いじりが好きで家庭菜園をしていたので、その影響も大きかったかもしれません。今ではあまり見かけなくなりましたが、イナゴを捕まえて母が佃煮にしてくれました。とっても美味しかったですよ。今は虫が苦手なので食べられませんけど(笑)。本当に、自然の中で育ったという感覚が強いですね。
——学生時代はどんなことが好きでしたか?
自然と遊ぶのも好きでしたが、おしゃれにも興味がありました。幼稚園のころからフリフリの洋服が大好きで、全部自分でコーディネートしていたようです。こだわりが強くて、母は大変だったみたいです(笑)。体を動かすのも好きで、側転やバク転をするのが楽しかったのを覚えています。もし新体操のような習い事があればやってみたかったですね。当時はまだそういった習い事が少なくて…。ピアノや書道、スイミングなどは習っていました。
——お父様(ファイブイズホーム社長)から受けた影響や、ご家族との思い出について教えてください。
父は学生時代、水泳部でしたので、仕事が忙しい中でも夏休みにはよく私たちをプールに連れて行ってくれました。毎年親戚家族と一緒に海に旅行に行ったのも良い思い出です。ただ、父は毎晩9時くらいまで働いていたので、子どもの頃はあまり会えない日も多かったですね。早く帰れた日は、一緒にゲームなどをして遊んでくれました。子供以上に夢中になっていました(笑)。
——農園を始める前はどのようなお仕事を?
私は三人きょうだいの真ん中で、姉は「ファイブイズホーム」の工事部の部長、弟は副社長を務めています。私自身は最後に入社して、社長室に所属していました。その後、社長の「観光農園をやろう!」という声からスタートし、現在は社長室と兼務でファームの運営に携わっています。
——ブルーベリー農園を始めたきっかけは?
社長が仕事で各地を訪れる中で、ある農園で食べたブルーベリーの美味しさに感動し、「行田のために何か残せないか」という想いがきっかけでした。観光農園として多くの人に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいという気持ちから始まりました。私たちはみんな農業未経験でしたが、「やってみよう!」と決意してスタートしました。唯一、母が趣味で家庭菜園をしていたくらいで、果樹栽培は初めて。ブルーベリーはとても繊細で、少し手を抜くだけで枯れてしまうこともあり、日々の管理が欠かせません。

——「ファイブイズファーム」という名前に込めた想いは?
最初は「ファイブイズホームが運営する農園」という意味で仮の名前でした。でも地元の方々には「ファイブイズ」の名前が浸透していて、親しみもあるので、そのまま正式な名前として残すことにしました。

——ブルーベリー栽培の特徴やこだわりは?
当園では、地植えではなく鉢植えによる「養液栽培」という方法を採用しています。土の代わりに、アクアフォームという吸水性のある素材を使っていて、水分保持力に優れています。ホースと自動タイマーで水と肥料を一緒に供給するようにしていて、省力化も図っています。
——人手を減らす工夫もされているんですね!
はい。とくに雑草対策は大変なので、防草シートをしっかり敷いて管理しています。また、鉢植えにすることで根が横に伸びるのを制限し、上へ成長させることで、実が大きく甘く育ちやすいんです。通常、実が採れるまで2〜3年かかりますが、この方法なら1年後には収穫できることもあります。
——収穫の時期はいつ頃ですか?
6月から8月までが収穫のシーズンで、品種ごとに収穫時期が異なります。当園では60種類以上・1,700本のブルーベリーを育てていて、味や香り、大きさなど、品種ごとの違いを楽しんでいただけます。
——食べ比べもできるんですね?
はい。60分の食べ放題コースがあります。今年は新しく店舗ができたので、農園で摘んだブルーベリーを涼しい店内でゆっくり召し上がっていただけます。暑い中でも、快適にブルーベリー狩りが楽しめますよ。食べきれなかった分はお土産として購入もできます。

——美貴さんのお気に入りの品種は?
「レガシー」はとても美味しいですね。他にも「ユーリカ」「opi」「ジュエル」など、私は6月上旬に採れる早生の品種が好きです。品種の特徴はホームページにも掲載していますので、ぜひご覧ください。
——ブルーベリー狩りはいつまで楽しめますか?
例年6月中旬からスタートして、お盆前ごろまで楽しめます。年によって多少前後しますが、暑い夏の間にご来園いただけます。
——お客様にはどんな体験をしてほしいですか?
「こんなに大きな実は初めて!」と驚かれる方が多く、「もう他のブルーベリーは食べられない」と毎回買いに来てくださる方もいます。ブルーベリーはスーパーではあまり見かけないですし、ぜひ新鮮な生の美味しさを味わっていただきたいです。そして、自然の中で日常を忘れて、リフレッシュしていただけたら嬉しいですね。
——6月21日にリニューアルオープンされて、反響はいかがですか?
おかげさまで多くの方にご来園いただいています。特に暑い季節なので、ジェラートはリピーターの方も多く人気です。ドリンクと一緒に楽しんでいただいています。メディアに取り上げていただいたおかげで、群馬など遠方からも来ていただいていますし、大通り沿いなので看板を見て立ち寄ってくださる地元のお客様も多いです。

——店舗のデザインは美貴さんが手がけたのですか?
はい。娘と一緒に考えました。女性目線で「女性に喜んでもらえる空間」を意識して、ベージュや木目を基調にやさしい色合いにしました。休憩スペースのほか、ジェラート製造や果物の仕分けスペースも併設しています。


——人気のジェラート、売れ筋は?
特に人気なのは「ブルーベリーヨーグルト」と「ブルーベリーソルベ」です。両方の味を楽しめるダブルで頼まれる方が多いですね。トッピングでブルーベリーの果実も乗せられます。


——キッチンカーについても教えてください。
この店舗ができる前に、旧農園では店舗がなかったので、まずはキッチンカーで飲み物を提供することから始めました。また、昨年くらいから市内のイベントに出店していて、ジェラートの他にチュロスやフランクフルトなども提供しています。
——キッチンカーもとてもおしゃれですね!
ありがとうございます!実は社長は、赤や黄色の目立った色を望んでいたのですが、私は女性や若い世代の方目線の色を選びました。でも、皆さんに「おしゃれですね」と言ってもらえると嬉しいです。社長の意見も取り入れつつ、メニューのわかりやすさなど工夫を重ねています。

——新しいメニューも考案されているのですか?
はい。手間がかからず、待ち時間が少ないメニューを考えています。今後は当園で育てている果物を使ったパフェなどもいいなと思っています。
——イベント出店で印象に残っていることはありますか?
出店を通じて、出店者同士の交流や、お客様から直接感想を聞けるのがすごく嬉しいです。もともと人見知りで人前が苦手だったんですが、素敵な出会いが多く、感謝の気持ちでいっぱいです。
——スタッフの皆さんも笑顔が素敵ですね。何か心がけていることは?
ありがとうございます!みんな「マイナスイオン」が出てる感じですよね(笑)。農園に興味を持って来てくれた方ばかりで、本当に人に恵まれているなと感じます。私自身も飲食業は初心者ですが、失敗があってもお客様に楽しんでいただくことが最優先。笑顔での接客をスタッフ全員で大切にしています。

——今後の展望を教えてください。
行田には素敵なお店や人がたくさんいるので、職種は違っても何か一緒にできたら楽しいなという想いがあります。ファームとしても、レストランや新しい果物への挑戦など、社長をはじめいろいろな想いを大切に、少しずつ前に進んでいきたいです。

ファイブイズファーム
住所:行田市持田
TEL:080-7508-5336
営業時間:10時~16時
営業日:火曜・木曜・土曜・日曜
※2025年のブルーベリー観光農園営業は8月12日まで
※9月1日~木曜も定休
HP:https://fiveisfarm.com
Instagram:https://www.instagram.com/fiveisfarmblueberry/