美味しいパンとケーキをお手頃な価格で! いつも変わらない味を食卓に届けたい「シャロン洋菓子店」

人図鑑

シャロン洋菓子店
岡安 渉さん

事業内容
パン・洋菓子の販売

プロフィール
1974年生まれ49歳、行田生まれ行田育ち
高校卒業後、東京の製菓学校で洋菓子を学ぶ。その後、東京・長野・埼玉の洋菓子店とパン屋さんで修行を積み、結婚をきっかけに2004年、家業のシャロン洋菓子店に入る

——昔ながらのパン屋さんという雰囲気がとても素敵なシャロン洋菓子店さんですが、創業は何年になるのですか?

岡安さん:創業は1980年、うちの父親がケーキ屋として始めました。東京の“シャロン洋菓子店”で洋菓子の修行をして、のれん分けして44年前に行田にお店を構えたんです。最初はケーキ屋さんでパンはほんの少しだったけど、お客さんの需要がパンの方が多くて、どんどんパンの種類が増えていったそうですよ。当時はお店の自動ドアが珍しくて、近所の小学生が見物に来ていましたよね。それまでは行田にパン屋さんは他に1件くらいしかなくて、当時としては、うちはハイカラなほうだったかな(笑)。

——岡安さんがお店に入ろうと思ったのは?

岡安さん:自分が子供の頃はケーキ屋さんは数少なくて人気があったので、憧れもあったと思います。それで高校卒業後に洋菓子の学校に行きました。その後は、東京の洋菓子と喫茶店をやっているお店で7年、そのほか長野と埼玉で修行したけど、洋菓子の業界はなかなか一人でお店を開店できても、人手が足りなかったり続かない現状があるんですよね。家業があるのはありがたいと思って、結婚を機にお店に入ることにしました。

——今はお父さんと一緒にお店を?

岡安さん:そう、父がパンを担当して私がケーキをやっています。今では慣れちゃったけど、最初はお互い一生懸命やっているからこその意見の食い違いとかたくさんありましたね。

——一日の流れってどんな感じなのですか?

岡安さん:パン屋さんの朝は早いってよく言うけど、うちではタイマー付きの機械があるので、スタートは6時半です。父がパンを作って、私がケーキの仕上げをする。そのあと、焼き菓子のストックがないときは焼き菓子を追加で作る。11時くらいには商品が棚に全部並べられるようにしています。夕方は予約のデコレーションケーキを作って、お店は19時半に閉店。そのあと翌日の仕込みをして、終わるのが22時半頃かな。

——なかなかハードですね!

岡安さん:そうですね、お昼ご飯はだいたい15時すぎだし、週一回のお休みだけど、仕事が楽しみみたいなものです。大変だけど辛くない。お客様要望のデコレーションケーキを作っているときや新商品に取り組んでいるときはワクワクしますよ。でも商いは難しくて、しっかり考えてどうだ!って出した商品が全然売れなくて、パッと思いついて出してみたのが売れるっていう(笑)。

——シャロンさんは、パン・ケーキ・焼き菓子など種類がとても豊富ですが、岡安さんのイチオシ商品はありますか?

岡安さん:ラスクですね!自家製ラスクって洋菓子とパンを一緒にやっている専門店だからこそつくれる商品なんです。ケーキ屋さんではフランスパンを焼けないし、フランスパンをラスクに加工していく工程ではケーキの材料を使います。うちは、父が焼いたフランスパンをケーキ担当の私がラスクにしていく共同作業でやっています。とあるSNSのラスク評価で、大手ラスク専門店2件と、なぜか(笑)当店のラスクが味の3本指に挙げてもらったこともあるんです。ただ、うちは一つ一つ手作りで、工程に最短でも3日はかかるので大手ラスク専門店ように大量には作れません。他店ではない食感のラスクなので、一度手にとってもらえたら嬉しいです。

——お店のモットー・素材や製法のこだわりを教えてください

岡安さん:ずっと「美味しいものを低価格で」をモットーにやってきたので、バブルの時も価格を上げませんでした。今は、原材料の高騰で価格を少しずつは上げさせてもらっているけど、もともと低価格なので、よけいここにきて値上げしずらいですよね。もちろん材料は同じで変えていません。利益のバランスはわるくなるけど、ずっと来てくれるお客様のことを思うとね。昔からやっているからこその大変さはあります。この近所の昔からやっているお店のみんなも価格を上げずに頑張っていますよね。

製法としては、良い材料は鮮度が命で、すぐ酸化してしまいます。酸化すると味が落ちてしまう。うちは、良い材料を使って品質や美味しさを保てる製法をやってるつもりです。そのためには作り貯めしないで、作ってすぐに売って、食べてもらえるようにする。そうしたフレッシュさを大切にしています。そうすれば、フードロスもなくなるしね。それが一番かなって思います。

——シャロンさん一帯の地域は今、八幡神社を中心にとても賑わっていますよね! 街並みや一帯のお店がとても素敵に改装されましたが、行政を交えての取り組みがあったのですか?

岡安さん:「癌封じ」で有名な行田八幡神社さんが目の前にあって、参拝にきた方が帰りにたくさん当店に寄ってくださいます。毎月1~14日の「花手水」の期間も、お客様がずいぶん多くなりますよ。数年前に県の事業で補助金が出て、お店の外装をアースカラーに改装しました。あと商工会議所の経営革新の事業で、看板をつくったり、フードプリンターを導入したり、内装も直したり・・・この5年色々頑張りました。

——今後、挑戦したいこと・展望がありましたら教えてください

岡安さん:八幡神社さんが賑わっているので、一緒に盛り上がっていきたいですよね。街歩きを楽しむ方が、パンや洋菓子を食べながら一休みできるイートインなんかもできたらいいな。何より、少しでも長くお店を続けていけたらと思っています。

——お父さんからも一言お願いします!

岡安秀和さん:昔はコンビニもスーパーもなくて、何を作っても売れた時代でした。今は、昔ながらのパンを作っているところが少なくなってきて、パンがハード系の流れになってきて、このまま昔ながらのパンを作り続けて良いのか悩むときもありますよ。でも、うちのパンを欲しいと言ってくれるお客様がいるので、今まで続けてこられました。うちは、八幡神社さんの向いという立地に恵まれているので、これを生かして息子には店づくり・商品づくりを今後もやっていってもらいたいですね。行田市には、神社を生かした街づくりをやっていただけたらと期待しています。

シャロン洋菓子店
行田市行田15-15
048-553-2239
定休:月曜日
https://chalon-web.jimdosite.com/

タイトルとURLをコピーしました