花屋 華蓮
萩原 章元さん
事業内容
生花販売 アレンジメントフラワー
生花祭壇 ブリザーブドフラワー フラワー装飾
プロフィール
1977年11月9日生まれ、行田生まれ行田育ち。高校卒業後、自分に合う仕事探しをする中で、21歳の時に仏用のギフトとお花を扱う高岡商店に入社。そこでの仕事をきっかけに花の装飾に興味を持ち、約20年同社で腕を磨き、2020年に独立して株式会社華蓮を立ち上げる。
——萩原さんは、元々お花がお好きだったのですか?
元々お花に興味があったわけではなくて、高校卒業後、自分にどんな仕事が合うのかを転々と探している中で、たまたま入社した高岡商店でお花の仕事をやっていて、これは面白いと思った業種だったので、極めてやってみようかという感じでここまで続けてきました。
——修行中の思い出がありましたら教えてください。
やっぱり技術職なので、自分の思い通りの作品が作れるまでに結構時間がかかりました。練習もそれなりに必要ですし。夏の暑い時期はお花がすぐ枯れてしまうし、冬は冬で寒いところにお花を置いておいてもやっぱり枯れてしまうので、時期的なお花の管理を覚えてやっていくのも結構大変でした。
最初は全然イメージ通りにできなかったものが、やっていくうちにどんどん自分の思い描いていたような作品ができるようになってきた時の満足感がこの仕事の魅力だなと感じました。そして何より、それをお客様にお渡しした時に、綺麗!って喜んでもらえる姿が一番のやりがいに繋がりますね。
——なぜ、行田で開業しようと思ったのですか?
高岡商店に勤めて10年ほど経った時に、いずれは行田で自分が代表として商売をやりたいという気持ちがだんだん強くなってきました。この仕事は技術職なので、しっかりとした技術を身に着けて、よそに負けないクオリティやコストパフォーマンスを提供できるようになってからでないと、独立しても渡り歩けないと思ったので、さらに10年勉強しました。友人の中に経営者が多くて、同級生に負けられないぞと、背中を押されたというのもありますね。自分は行田を出たことがないので、生まれ育った行田に貢献したい気持ちで、地域のおじいちゃんおばあちゃんに気軽に立ち寄ってもらえるような花屋をつくりたいと、開業を考えました。
——華蓮さんではどんなお花を扱っているんですか?
うちの会社のコンセプトでもあるんですけど、どこの花屋さんにも負けないような花屋をつくりたいという思いでやっているので、お花に関するものだったらほぼ全て扱っています。昔は仕入れが川越の市場一本だったのですが、そこだけだと特殊な花が揃わない場合もあるので、仕入れられる市場の数や仲卸さんの数を増やして、日本全国どこからでも、ある程度特殊なものでも仕入れられるような仕組みをつくりました。お花って時期的なものがあるので、関東でないものが九州にあったりとかするんです。気候が西の方から暖かくなってくるので、お花の時期もずれてきます。全国の市場から仕入れる事ができるので、様々なお客様のニーズには応えられる仕組みをつくれたと思っています。
——行田市のイベント、花手水のお花も手掛けていらっしゃいますよね?
行田市の施設やイベントでの花手水を作成しています。法人さんからの依頼もあります。花手水をやること自体は特に大変じゃないのですが、作成者のセンスで良い悪いが結構はっきり出てしまいますので、うちのスタッフの中でもテストをして、ある一定レベルのラインを越えたスタッフが花手水を手掛けています。依頼を受けた現場にお花を持って行って作業するのですが、夏場はこの暑さでお花が数日と持たないので、一般の方にはあまり夏場はオススメしていません。
ただ陽気の良い季節には、ご自宅でも小さな水鉢で、手ごろなお花でも花手水を楽しんでいただけると思いますので、そういう発信はしていきたいですね。行田で花手水が流行り始めているので、法人さんだけでなくて、一般の方にもぜひ楽しんでいただきたいです。
——従業員さんのお話がでましたが、皆さんお若いですよね?
今、21人のスタッフがいます。若い子もいますけど、平均年齢35~40歳くらいですかね。
——皆さん仲が良さそうで、チームワークがあるように感じますが、萩原さんが心がけていることはありますか?
やっぱり自らスキンシップを取りに行ったりだとか、話しかけに行く努力はしているつもりです。みんなでワイワイとできるように、年に3回くらいは食事の機会を作ったりしています。
——一年を通して、忙しいですか?
いや、繁忙期と閑散期がありますよ。うちは葬儀のお花がメインになるので、冬場はとても忙しくなります。春から夏はどうしても葬儀の仕事が落ち着いてくるので、そういう期間にもお客様にお花を楽しんでいただきたいという思いで、ショップにも力を入れ始めました。
——華蓮さんのショップがあるっていうのを知らない方も?
そうなんです。場所が大通り沿いではないので、伝わりづらいですね。チラシを撒いたり、しっかりした野立て看板を立てたり、サブスクみたいなものを取り入れてみたり、結構宣伝はしています。おかげさまで、始めた頃よりも少しずつですけど、店舗売り上げも上がってきましたし、認知もしていただけるようになりました。
——サブスクっていうのは?
お花の定期便という感じで、月に2~3回玄関やリビングで飾れるお花や、お仏壇やお墓参りで使える仏用のお花の2パターンを定期的にお届けするサービスです。チラシを撒いたり、ショップに来てくれたお客様にオススメしたりしています。
——今ご苦労されていることは?
これから販路を拡大していきたいところではありますが、販路拡大にはやはりスタッフが充分にいないと仕事をこなしきれないので、人が入ってきてくれる仕組みづくりに今苦労しています。元々、花屋さんて休みが少なくて給料が安いというイメージがありますよね。そのイメージを変えられるように、会社組織を作り上げて、休みもしっかり取れて、ある程度の良い待遇を持たせられるような会社作りを目指していますが、その仕組みづくりに苦労している感じですね。
——お花に携わっていて、印象に残っている出来事はありますか?
結構いっぱいありますが、葬儀の仕事では、残されたご家族の悲しみや辛さを感じて、綺麗にしっかりお花を飾らなきゃという、身の引き締まる思いで作業しています。
お祝いのお花の話もたくさんあって、お客様からプレゼントした相手にすごく喜ばれたよという話を聞くと、やっていて良かったと思います。
——行田商工会議所主催の街ゼミや青年部でもご活躍されていますね?
昨年スタートした街ゼミでは、ご家庭で飾れるような、フラワーアレンジメントを作成するワークショップをやりました。今年は暑い時期の開催で生花ではお花が持たないので、ハーバリウムという瓶の液体の中にお花を飾るワークショップをやろうと考えています。
商工会議所青年部は入って4年目になるんですけど、市政ビジネス委員会に携わっています。昨年は委員長を務めました。行田市がもう少し活性化できるような、市外からのお客様がたくさん来ていただけるような街づくりを目指して活動しています。
——企業理念で掲げていることはありますか?
流行りすたりが昔以上に速いスピードでどんどん変化する現在、その時々でお客様が求めるものに対応できる力をつけるというのが企業理念の中にあります。その中で、スタッフ各々が自分で勉強しながら、独創性のあるデザインや新しいものを生み出す力をつけていこうという思いでやっています。また今年のテーマが「感動」なんですが、商品を売るという事だけでなく、接客態度をはじめお客様のニーズを感じて動けるスタッフづくりを目指しております。社内のミーティングでは、この理念とテーマを言い続けて、お客様に感動していただける応対ができているか、感動していただける作品づくりはできているかというフィードバックを毎回するように心がけています。
——今後、やってみたいことがありましたら教えてください!
地元の皆さんに楽しんでいただけるような、お花と喫茶のコラボレーションショップをいずれはやってみたいですね。お花に囲まれた癒し空間で、コーヒや軽食を楽しみ、気に入ったお花があれば購入していただきながら、というようなお店づくりにも挑戦してみたいです。
花屋 華蓮
埼玉県行田市向町8-11
048-577-8769
営業時間:9:00~17:00
年中無休
https://www.karen8769.co.jp
https://www.instagram.com/878Karen87/