
simple & (シンプル アンド)
店主 坂井 俊介(しゅんすけ) さん
   坂井 幸姫(さき) さん
事業内容
ヘアサロン・トリミングサロン・テイクアウトカフェ・ドッグラン・ペットランドリー・雑貨販売 等
プロフィール
坂井 俊介 さん:
幼少期を玉川村(ときがわ町)で過ごし、その後、羽生市へ移住。高校卒業後、電気工事士として勤務したのち、美容の道を志して美容専門学校へ進学。卒業後は都内のサロンで5年間、結婚後は浦和のサロンで3年間経験を積む。2015年に行田市で美容室とカフェを併設した「simple hair&cafe」を開業。2023年にはトリミングサロンとドッグランを加えた複合施設「simple &」として移転リニューアルし、訪れる人が心地よく過ごせる場所づくりを目指している。

坂井 幸姫 さん:
小学生のときに羽生市へ転居し、中学生時代に夫と出会う。19歳のとき、同じアルバイト先で働いたことが結婚のきっかけとなる。都内の百貨店に勤務しながら、夫と共にサロン開業の夢に向けて準備を進める。現在は店舗運営に携わりながら、笑顔があふれるあたたかな空間づくりに力を注いでいる。

——2015年には行田の別の場所でお店を開かれたそうですね。当時はどんな想いでスタートされたのでしょうか?
幸姫さん:もともと主人が美容師で、父がパティシエだったことから、「美容室とケーキ屋さんを一緒にやろう」と計画していたんです。20歳の頃からお店を持つことを目標にしていましたが、22歳の時に父が病気で他界し、ケーキ屋の夢は叶いませんでした。
そこで料理好きな母が40代でカフェの学校に通い、「形は違ってもカフェとしてやってみよう!」と話がまとまり、私も当時勤めていた百貨店を辞めて、主人・母・私の3人で「simple hair & cafe」をオープンしました。
10年前の当時、このエリアでは美容室とカフェの併設は珍しく、営業許可を取るのも大変でした。扉や空調をそれぞれ分ける必要があり、入口を入ると扉が2つ並ぶ不思議な作りだったんですよ(笑)。
美容室・カフェどちらに来てくださった方にも「次はもう一方にも行ってみよう」と思ってもらえるように、そんなつながりを意識していました。
——オープンの地として、なぜ行田を選ばれたのですか?
俊介さん:当初はまったく知識がなく、色々調べていたところ、お客様から「行田市には開店補助金がある」と教えていただいたのがきっかけです。地元にはそうした制度がなかったので、大きな後押しになりました。
——実際に行田でお店を始めてみて、いかがでしたか?
俊介さん:本当に良いお客様に恵まれました。僕たちが若かったこともあり、何も知らない僕たちを地域の皆さんが温かく応援してくださいました。美容室はガラス張りが多いですが、あえて外から見えない造りにして、プライベートな空間を大切にしました。
幸姫さん:カフェに来たお客様が「この雰囲気が好きだから、次は美容室に行ってみよう」と行き来してくださるようになって、嬉しかったですね。
——2023年に移転し、トリミングサロンやドッグランを併設された背景を教えてください。
幸姫さん:看板犬である2匹のミニチュアシュナウザー・ベルとサリーを飼ったことが大きなきっかけです。2匹のトリミングに4時間ほどかかるのですが、その間どう過ごそうかと毎回悩んでいて…。お客様にも同じ悩みを持つ方が多いと知り、「ワンちゃんと飼い主さんが一緒に来て、一緒にきれいになって帰れる場所があったらいいのでは」と考えるようになりました。

ドッグランについては、この辺に人工芝のドッグランがなく、「ボールが使える貸切ドッグランがあったらいいな」と私たち自身も思っていたんです。人工芝なら足が汚れにくく、帰宅後に足を洗う手間も省けます。
お客様からの要望も多く、「自分たちの“あったらいいな”は、お客様の“あったらいいな”でもある」と感じて、実現することにしました。

——新店舗づくりで特にこだわった点は?
俊介さん:非日常感を出したくて、天井を高く開放的にしました。席ごとに壁で仕切り、個室のような空間にして、親子3世代でも一緒に過ごせる広めの部屋もつくりました。
幸姫さん:カフェはワンちゃん連れでも利用できるよう、外からドリンクを買える窓を設けました。暑くなければ外でも一緒に楽しめるようにしています。
前のお店で“ヘアサロンもカフェも楽しんでもらえる”という実感があったので、「&を増やそう!」となり、それが今の「simple &」の名前の由来です。「&○○」と限定せず、いろいろと繋げられるようにと名付けました。

——カフェで提供されるコーヒーやスイーツにもこだわりがあるそうですね。
俊介さん:コーヒーは東京・国分寺の「Life Size Cribe」さんのスペシャルティコーヒーを使っています。ブラックが苦手な方でも「これなら飲める!」と好評です。
幸姫さん:スイーツはすべてグルテンフリーの米粉スイーツです。母の病気や家族の体調不良がきっかけで、グルテンを控えるようになり、みんなで体調が良くなった実感がありました。米粉のおやつは食べにくいものが多いのですが、母が試行錯誤して美味しく仕上げてくれました。米粉ワッフルは米油で焼いて、外はカリッ、中はモチッ。シフォンケーキやクリームも豆乳を使い、身体にやさしいスイーツにしています。

——リニューアルから2年、お客様の反応や変化は?
幸姫さん:トリミングと美容室を一緒に利用してくださる方が増えています。当初描いていた形を少しずつ実現できているのが嬉しいです。
俊介さん:飼い主さんよりも、ワンちゃんがサロンに来ている回数の方が多いくらい(笑)。大切な家族を預ける場所だからこそ、信頼関係を大切にしています。

——スタッフさんを含め、チームとして大切にしていることはありますか?
俊介さん:美容室では「誰かに褒められるヘアスタイル」を意識しています。
“可愛くする”だけでなく、日常で喜びを感じてもらえる仕上がりを目指しています。

幸姫さん:トリマーさんも技術が高く、お客様からの評判もとても良いです。お客様に喜んでいただくことを第一に、スタッフ全員で協力しています。
——ご夫婦での役割分担は?
俊介さん:経営と美容師、そして“ひらめき担当”です(笑)。
幸姫さん:私は経理、カフェ、雑貨の仕入れなどを担当しています。あと、主人のひらめきを実行に移す係です!
——お互いの強みをどう感じていますか?
幸姫さん:主人の美容師としての技術は本当に尊敬しています。「お任せで」と言ってくださるお客様が多いのは、信頼関係の証だと思います。また、冷静で行動力があり、「まずやってみよう」とすぐ動ける判断力にも助けられています。
俊介さん:妻はコミュニケーション能力が高く、スタッフやお客様、地域の方々との関係づくりが本当に上手。お店を支える大きな力になっています。
——行田で続けてこられた理由、地域の魅力は何でしょうか?
俊介さん:都内や浦和での勤務を経て、行田でゼロからのスタートでしたが、地元の皆さんに支えられてきました。お客様が家族や友人を紹介してくださることも多く、感謝の気持ちでいっぱいです。
幸姫さん:行田でお店をしていなければ、こんなに素敵な方々と出会えていなかったと思います。近所の焼肉屋さんが夜ご飯を差し入れてくれたり、「ペコペコカフェ」さんがシュナウザーグッズのデザインをしてくれたり、「オザワ」さんがオリジナルドッグウェアを作ってくれたり、商工会議所の皆さんにも本当にお世話になっています。本当に温かい方ばかりです!!
——看板犬をきっかけに広がったつながりもあるそうですね。
幸姫さん:看板犬のベルとサリーのおかげで、イベント出店やSNSを通じて全国にお友達ができました。兄妹犬とも出会い、飼い主さんとキャンプに行くほど仲良しに!看板犬に触れてシュナウザーを飼い始めたお客様もいて、嬉しいですね。

——イベントにも出店されているとか。
幸姫さん:毎年10月に開催される「髭犬祭」というシュナウザーのイベントに出店しています。全国から約1,500頭のシュナウザーが集まるんですよ。ワンちゃんがいなければ出会えなかったご縁ですね。オリジナルのグッズや洋服、リード、首輪などを販売しています

——2015年のオープンから10年、ここまでの道のりを振り返っていかがですか?
俊介さん:美容室1席からスタートし、コロナも経験しながら、多くの方に支えられてここまで来ました。段階的に色々なチャレンジもしてきました。2023年の新店舗では、「お客様への恩返しができる場所にしたい」との想いを込めました。今ではマルシェなども定期的に開催し、今後もさらに皆さんに楽しんでいただける場所にしていきたいですね。
——今後の展望を教えてください。
幸姫さん:ホームページにも掲げている「“好き”が同じ人がつながり、広がる」という言葉の通り、“simpleにしかできないサービス”で“好き”を表現し続けたいです。最近は子ども服やレディース服の取り扱いも始めました。新しい挑戦をお客様に喜んでいただけたら嬉しいです。
俊介さん:ようやく10年。まだ10年。これからも細く長く、「simple &」を続けていきたいです。初心と感謝の気持ちを忘れずに頑張ります!


simple & (シンプル アンド)
住所:埼玉県行田市持田763-5
TEL:048-501-6366
営業時間:11:00~18:00
※カフェは11:00~16:00(L.O. 15:30)
定休日 :Instagramでご確認ください。
     ※2025年11月よりカフェは 火・水・日 定休です。
Instagram:https://www.instagram.com/simple_and2023

 
               
               
               
               
              