
フジイ薬局
門井店 店主・薬剤師 平岡進吾 さん
本店 薬剤師 平岡佑子 さん
事業内容
相談を重視した病気予防・健康支援型薬局
本店と門井店の運営
プロフィール
平岡進吾(ひらおか しんご):
1976年1月24日生まれ。埼玉県入間市出身。明治薬科大学卒業後、東京の漢方薬局「仁生堂薬局」にて勤務し、漢方の現場で経験を積む。その後、調剤業務を深めるため北海道・函館の産婦人科で1年間勤務。2004年、薬剤師の佑子さんと結婚し、彼女の実家が営む行田市のフジイ薬局に入局。地域に根ざした相談型薬局のあり方を模索しながら、2008年に門井店を開業。現在は、相談者さんとの対話を大切にしながら、予防と生活改善に取り組む薬局運営に力を注いでいる。

平岡佑子(ひらおか ゆうこ):
埼玉県行田市出身。北里大学薬学部卒業後、都内の病院に薬剤師として勤務。その後、「仁生堂薬局」にて約3年間、接客・販売を通じて現場の力を磨く。進吾さんとは、仁生堂薬局で出会う。結婚を機に実家が営むフジイ薬局に入局し、現在は本店の薬剤師として、子育てと両立しながら、生活に寄り添う薬局づくりに取り組んでいる。3児の母。

——幼少期はどんなお子さんでしたか?
進吾さん:何かを作ったり、自然と関わる仕事に興味がありました。大学進学の際に農学部も選択肢でしたが、最終的に薬学部に進学しました。学生時代はバスケットボールに打ち込み、大学ではサークル活動も楽しみましたね。明るく楽観的な性格だったと思います。
佑子さん:姉とふたり姉妹で、活発なタイプだったと思います。小さい頃はクラシックバレエを習っていました。実家の薬局が日常の中にあり、むしろ当時は違う道に進みたいとも思った時期もありましたが、病気などで困っている人を元気にしてあげる両親の姿に憧れる気持ちが根底にあったと思います。最終的には、私も薬剤師の道に進みました。
——進吾さんが薬剤師を目指したきっかけは?
進吾さん:子どもの頃、父の影響で時代劇をよく見ていたんです。薬草を薬研(やげん)で挽くシーンが特に印象的で、「自然の力で人を治すってすごいな」と感じていました。その思いから大学院では「生薬学」を専攻し、漢方薬の研究をしていたのですが、だんだんと研究よりも現場で人と関わりたいという気持ちが強くなっていきました。そんな時、ある漢方相談薬局の先生と出会って、その方が1対1でじっくり話を聞いて、患者さん一人ひとりに合った漢方薬を処方している姿を見たんです。「自分がやりたいのは、まさにこれだ!」と感じて、思い切って大学院を辞め、その先生が勧めてくれた仁生堂薬局に入りました。
——お互いの第一印象は?
佑子さん:私は新入社員として仁生堂薬局に入り、進吾さんが配属先の店長でした。体も大きくて、正直、最初は怖い存在でした。指導も厳しかったですし、完全に「上司」って感じでしたね(笑)。
進吾さん:佑子は真面目で素直な人という印象でした。ちょうど新しい店舗の立ち上げ時期で、佑子を含む3人の新人を育てる環境は大変でしたが、皆がよく頑張ってくれました。
——ご結婚後、行田での暮らしはどうでしたか?
進吾さん:結婚後は、佑子の両親と同居しながら本店で勤務していました。専門的な漢方相談は初めてで、義父から皮膚病の対応など色々教わり、学びが多くて楽しかったです。行田での生活で特に驚いたのは「コウモリ」が多いこと。地元の入間ではあまり見なかったのでびっくりしましたね。
——パートナーとしてお互いに助けられていることは?
佑子さん:私は現実主義で心配性ですが、主人はとても楽観的。私が不安になる場面でも「大丈夫だよ」と言ってくれるのが心の支えです。
進吾さん:僕は細かいことが苦手なので、家庭や子供のことを率先してやってくれる佑子には本当に助けられています。おかげで薬局の仕事に集中できます。
——フジイ薬局本店の歴史について教えてください。
佑子さん:父が1974年に本店を開業し、母も薬剤師として共に働いていました。当時は世の中にドラッグストアがなく、日用雑貨やベビー用品も扱っていました。時代と共に調剤を取り入れ、現在のような「相談できる薬局」へと形を変えてきました。

——漢方相談に力を入れている理由は?
佑子さん:父が漢方の知識を持っていたことが大きいですね。漢方では症状だけでなく、その原因や生活習慣まで含めて見ていきます。私たちは、「病気になる前の予防」に重点を置いた体づくりを目指しています。

——家族で薬局を営むことのメリット・難しさは?
進吾さん:義父母が築いてきた信頼と実績に支えられていることを本当にありがたく思っています。
佑子さん:進吾さんの方が勉強熱心で、私もアドバイスをもらうことが多いです。子どもの風邪一つでも、薬剤師の家族全員が意見を出し合うので、考え方の違いで意見がぶつかることもありますね(笑)。
——フジイ薬局で扱っている商品について教えてください。
佑子さん:まずは「バイオリンク」です。これは福岡のクロレラ工業が製造する、クロレラの中でも特別な「チクゴ株」を使った栄養補助食品で、食生活を整えるサポートをしてくれます。栄養素が非常に豊富で、不足しがちだけど必要な栄養素を補い、体に不要なものは出すという働きがあるほか、チクゴ株クロレラにしか含まれないクロレラエキスが、皆さんの体に本来備わっている、体を健康に保とうとする力を応援してくれます。毎日の食事にプラスすることで、元気な体づくりを支えてくれる“食事の基本”のような存在です。
次に「レバコール」。カツオの肝臓からとれるエキスを使った、アミノ酸やビタミンが豊富に含まている総合栄養剤です。血液の流れを良くしてくれるので、冷え性や肩こり、疲れやすい方におすすめ。貧血や産前産後の体力づくりにも役立ちます。
もうひとつは「若甦(じゃっこう)」です。薬用(やくよう)人参を主成分とした栄養剤で、体力回復や血行促進、ストレス緩和に効果的です。疲れや冷え、自律神経の乱れを感じる方にピッタリです。「しんどいな…」って時に、日常の中で頼れる栄養ドリンクという感じですね。他にもまだまだ、ありますが…。

進吾さん:例えば、食事量は足りているけど、野菜が少ない人にはまず、バイオリンクを。食事量が少なくて、血液の巡りが悪かったり、疲れやすい場合は、レバコールとの併用をおすすめしています。
——印象に残っているお客様とのエピソードは?
進吾さん:本店に勤務していた時、毎週お子さんの処方箋を持って来られるお母さんがいたのですが、バイオリンクを勧めたところ、次第に処方箋の回数が減っていきました。体質が改善され、薬に頼らなくても良くなる過程を間近で見ることができ、とても嬉しかったです。
——ご自身でも商品を使用されていますか?
佑子さん:はい、バイオリンクは家族全員が毎日飲んでいます。自分たちで試して「良い」と感じたものをお客様にも提案するようにしています。
——門井店を開業された経緯は?
進吾さん:「若い世代で自由にやってごらん」と、義父が後押ししてくれたのがきっかけです。2008年に門井店をオープンし、最初は調剤もしていましたが、相談薬局としての手応えを感じ、現在は完全に相談に特化しています。

——どのような相談が多いですか?
進吾さん:最初はダイエットに関するご相談が中心でした。ダイエットは基本的に食事指導がメインで、必要に応じて補助食品をご提案することもあります。すると、きちんと結果が出て、痩せられる方が多いんですよね。そうやって奥様が健康的に痩せられると、今度はご主人の糖尿病やお子さんのアトピーなど、家族全体のお悩み相談へとつながっていくことが多くなりました。特定の分野に限らずご相談を受けていますが、なかでも皮膚に関するお悩みは比較的多いです。ご相談はすべて予約制で、1対1の時間をしっかり確保して、じっくりお話を聞くようにしています。
——門井店にはエステルームもあるそうですね?
進吾さん:はい、昨年の冬からエステルームを始めました。目的は美容というより、マッサージでリラックスしてもらい、血流やリンパの流れを良くすることです。技術のある女性スタッフに任せていて、完全予約制・個室で対応しています。お客様からは「ぐっすり眠れた」「むくみが取れてすっきりした」などのお声をいただいています。薬の相談に来た方が、心身のケアの一環としてエステも利用されるなど、良い相乗効果が出ています。

——幅広い知識はどのように身につけているのですか?
進吾さん:薬局業界にも全国にさまざまなグループがあって、私はその中のひとつに所属しています。九州に知識のある先生がいらっしゃって、九州や大阪で開催されている勉強会に頻繁に参加しています。医療の世界は常に進化しているので、自分も学び続けていかないと対応できません。大変ではありますが、だからこそ、来店される方からの様々な相談に応えることができるのだと思っています。

——学び続けるモチベーションは何ですか?
進吾さん:やっぱり、相談してくださった方が元気になってくれると嬉しいですよね。でも、実はそれだけじゃなくて…僕、ちょっとビビりなんです(笑)。「次に来たときに、良くなってなかったらどうしよう」っていつも思うんですよ。その不安があるからこそ、常に新しい情報を探し続けています。
それに加えて、経営の不安も正直あります。努力を怠れば、状況は悪くなってしまうという危機感もあります。ただ、それがストレスになることはなくて、仲間と一緒に学びながら楽しめているんです。
——ご家族で大切にしている時間はありますか?
佑子さん:できるだけ家族そろって夕食をとるようにしています。我が家は、昔から食事中はテレビを見ないことが習慣になっていて、その分、自然と会話が増えるんです。学校でのことや日常の出来事など、色々話しますね。そういう時間を大切にしています。
——子育てと仕事を両立するうえで工夫していることは?
佑子さん:今は17時ごろまで働けるようになりましたが、少し前までは本当に短時間だけでした。両立できていたかというと、正直難しかったです。私の場合、仕事の時間と家庭の時間をきっちり分けるようにしています。子供が小学生の頃は、子供が帰宅する16時には家にいられるようにしていました。また、同居している両親に助けてもらえる環境があったのも大きかったですね。感謝しています。
——お子さんに伝えたいこと、見せたい姿はありますか?
進吾さん:長男が薬科大学に進学したんですよ。とはいえ、同じ道を無理に進ませたいとは思っていません。本人がやりたいことがあるなら、それを応援したい。ただ、まだ明確な目標がないなら、薬剤師の資格を取っておくのは大きな武器になりますしね。いずれにしても、「楽しんでやる」ことが大事。親が楽しんでいなければ、その気持ちは伝わらないと思うので、自分がまず楽しむ姿勢を大事にしています。
——地域との関わりで、やってみたいことは?
佑子さん:コロナ前は、お店で健康教室のようなお話会を定期的に開催していました。でも、コロナ禍で中断してしまっていて…。それを再開したいなと思っています。例えばベジチェック(野菜摂取量の測定)や血流・HbA1c(ヘモグロビンA1c)の簡易測定など、自分の体の状態を手軽にチェックできるようなことも取り入れていきたいです。それから、健康診断の結果って、見てもよくわからないという方も多いので、結果の用紙を一緒に見ながら、体の状態を読み解くサポートもしていきたいですね。
——今後、フジイ薬局をどんな場所にしていきたいですか?
佑子さん:やっぱり「自分の体をきちんと知ること」って大切だと思うんです。病気になってから「あのとき気をつけておけばよかった…」って後悔するより、早いうちに気づいて対策できたら、その人自身のためにも、ご家族との楽しい時間を過ごすためにもいいですよね。そのお手伝いをしていけたらと思っています。
進吾さん:僕は、来てくださった方全員を元気にしたいという想いがあります。もちろん神様じゃないので、全部がうまくいくわけではありません。でも、せっかくご縁があって来てくださったのだから、たとえ難しい病気でも、その人の助けになれる存在でありたいです。
そして、フジイ薬局を「気軽に話せる場所」として使っていただけたら嬉しいです。体の不調だけでなく、ちょっとした悩みでも話せる場所がないという方は多いんです。だからこそ、どんな小さなことでも話してもらえる、そんな薬局でありたいですね。

フジイ薬局 本店
行田市若小玉111-1
048-554-5482
営業時間:9:00~18:30
定休日:日曜日・月曜日
公式LINE:https://page.line.me/858yciof
Instagram:https://www.instagram.com/fujii_yakkyoku
フジイ薬局 門井店
行田市門井町3-2-39
048-577-6633
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜日・祝日
HP:https://diet-saitama.jp/sp
公式LINE:https://line.me/R/ti/p/%40lyq3027a
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